第26章

当時、島宮奈々未はまだ幼く、母親の言葉の意味を理解できなかった。

今になって、彼女はようやく分かったのだ。

これらの品々は、単なる母の形見ではなく、母が彼女に残した想いと希望の証だということを。

島宮奈々未は箱の中の物を一つ一つ取り出し、丁寧に確認していった。

すると、箱の一番底に隠し仕切りがあることに気づいた。

隠し仕切りを開けると、中には小さな錦の袋が入っていた。

島宮奈々未はその袋を手に取り、開けてみると、中には一つの翡翠の首飾りが入っていた。

翡翠は透き通るように美しく、その上には生き生きとした鳳凰が彫られていた。

島宮奈々未の胸が高鳴った。彼女はこの翡翠を知っていた...

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